興味の始まり
子供達がマニュアル免許を取り、マニュアル車を、それもロードスターを買おうと考えました。マニュアル車は、学生の時に散々いすず ジェミニを乗り回し、あのマニュアル車の操作感をもう一度体験したかったこと、そして子供達に体験させたかったこと、ロードスターは単純に憧れていたことが理由です。
始めはHONDAのS660、S2000やマツダロードスターを検討し、ロードスターは試乗までしました。この話を職場の友人にすると、「どうせ買うなら、ポルシェがいいよ」と言い、これが全く興味のなかったポルシェとの生活のきっかけになりました。
友人は911を所有しており、彼が購入したポルシェ専門ディーラーへ一緒に行ったのが始まりです。ディーラーへ行くため、待合せの最寄り駅から911の助手席に乗り、走り始めた途端、路面からの振動のシートへの伝わり、車体の強い剛性を体感し、初めてのポルシェ体験は衝撃となり、数年経った今でも、あの感覚を忘れません。
ディーラーには、見たことのない数のポルシェ達。その圧巻の光景は、たちまち虜になるのに十分なものでした。マニュアル、ロードスター(ボクスター)の条件は変わらず、営業のSさんに、「出来れば右ハンドルで」と依頼したところ、「ほぼないと思います、あったら即、買いですよ」。予算は300万円でお願いしていました。
その後数ヶ月間、Sさんからボクスターや2、3台紹介されましたが、986やATであったことから、気持ちが動かず(986:あのライトのデザインが今でも気になるので)。半年ほど経ち、他社で販売している987キャララホワイト、左ハンドル、MT(2007年製)を紹介してもらい、そこで試乗し、もはやこれしかないと決めました。Sさんが業販で手に入れ、整備後納車となりました。
2018年9月納車。走るための技術に集中して作られたことを実感して楽しみました。これまで乗り継いだ日本車、アメリカ車に比べ、躯体の堅牢さは、運転を長い間し続けるとその特長をより体感できました。左ハンドル+MTは初めてでしたが、案外その運転しやすいものでした。
二輪車や歩行者が左側にいる時、狭い道で対向車とすれ違う時に、安全を見極めて、最大限左側に寄せることができるので、運転していて安心です。右ハンドルで左側の車幅感覚を感じるのが苦手な人にはお勧めです。右折時、停留所のバスを追い越す時、駐車券を取るときは不便ですが、上のメリットの方が圧倒的に大きいので、不便をそれほど感じたことはありませんでした。そもそも運転席が低いので、左側に駐車券がある所でも、身を乗り出すか、一旦ドアを開けないと届かない場合もあります。
2年半を経た2021年3月、小さなトラブル(ソフトトップを閉じる時の枠外へのはみ出し、オーディオ、バッテリー)が起き、その後の経済性を考え手放したものの、まだまだボクスターには未練が残っていました。運転のしやすさ、その足回り、コーナーでの安定性、ハンドル操作に対するレスポンス、何よりもエンジンレスポンスとその音は、忘れられない体験です。
ポルシェの魅力を教えてくれた友人や987を探してくれたSさんに感謝しています。ここでも、人とのつながりが、生活での変化に重要な役割を果たすことが実感できました。本当にありがとうございました。
変化と再開
勤務先を辞し、縁あって新しく個人事業主として仕事を始めたという変化が訪れました。「楽しむこと」を主にしていきたい、という考えと、妻と子供達の大きな励ましのおかげで、新車をと考え、最寄りのポルシェセンターに立ち寄ってみました。それまでボクスター25イヤーズ、GTS4.0に興味を持ちましたが、いずれも気づくのが遅く、手に入らない、あるいは20人以上の予約待ちという状況でした。ポルシェセンターの方から、「スパイダーはいかがですか?」と薦められましたが、始めは新車の素ボクスターをターゲットにしていた身としては、「718スパイダー」は大きなジャンプアップです。高価なので、慎重になりますが、ボクスターに比べスパイダーは4リッター水平対向6気筒NAエンジン、420PS。この6気筒エンジンの音をYouTubeで聴くと、それは理由もなく魅力的。中古車在庫さえもわずかな時期で、他の車種含めショールーム展示車など、ほぼない状態でしたから、実物も見ることもなく、担当のSさんが操るPCのスクリーン上のコンフィギュレーターに吸い込まれていきました。県内でGTS4.0は20数人待ち、しかしスパイダーはたった2人待ち。スパイダーは直前まで受注を一旦停止していたとのこと。スパイダー受注再開直後というタイミングもあり、結局予約を入れました。予約だけですので、何もすることはありません。ドイツ工場での生産時期が確定するまではキャンセル可能です。この時点で、生産時期確定が6-7ヶ月後、納車は約1年後という見込みでした。
因みに、2022年の予約状況は、各シリーズの中でより高い価格のものから、より多くの予約待ち人数でした。718ならば、GTS4.0、スパイダー(私の後ろにあっという間に20数名予約待ちが入りました)、そしてGT4 RSの予約待ちが、ボクスター、ケイマンの予約数をはるかに凌いでいました。911では、GT3が最多の予約注文数でした。日経新聞にも記事が出ましたが、ウクライナ情勢、半導体不足などによる新車供給数に限りがあり、中古車価格が、新車価格を上回るという異常な状況の折、高級外国車を投資目的で購入する層が増えているそうです。
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